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「君も食べてみる?」
初めて彼と目があった
こんな日を待ち望みにしていたことに
自分が高揚していることを感じながら
手渡された茶色のビンを受け取った
コルクの栓を開けると甘い香りが漂う
バニラでもなく、ジャスミンでもない
それよりも優しい感じ
一口啜ってみる
「美味い?」
彼はこっちに尋ねた
頷くと、やっぱり、と呟きながらニヤッと笑った
そのジュースは本当に美味しかった
まるでお花畑にやってきたミツバチのような気分になるような、ハチミツ?
いや、これはもっと別の何かだ
もっともっと美味しい何か
正体は分からないけれど、小さなビンを傾けて、一気にそれを飲んだ
そしてアイスクリームをスプーンで掬っている彼に聞いてみた
「あの、これって何ですか?」
茶色い空っぽのビンを揺らす
すると彼は、意味深なことを言います、という前置き代わりに少しだけ微笑んだ
「『時間』だよ」
この人は如何してこんなことを言うのか
夢までもこうなのか
そう、現実味が全くない
何をしても感じたことがないそれが襲ってくる
「あの、あなたは誰ですか?」
「強いて言えば番人みたいな?」
半疑問系で問いただされた
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「志望はK大だよね?」
この場に合っているかどうかよく分からない笑顔を無理やり顔に引っ付ける。
「経済学部で、使用科目は英語、国語、日本史…で…」
担任は模試の結果と睨めっこ。
自分でもそんなにまじまじ見なかったような気がしなかったのに。
「うん、日本史は良いみたい。古典もこの調子で。現代文は…」
こんな時、不謹慎にも彼がものを食べる様子を心の中でシミュレーションしてみる。
「あと英語だな、工藤!何かやってるか」
意識は彼が何かを掴む姿にいっているにも関らず、口は勝手に答えている。
「…そうか、絶対合格しろよ!」
みんな何時もこれだ
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もう嫌だ。
毎日こう思う。
日に平均20回は落ち込む、そんな生活。
結果努力不足だと評されても何も言えない現実。
そして私は眠りに就く。
これは運命なのか。
酷く私に似合う、世界への扉を今日も叩く。
さよならサンクチュアリ
その夢を見るようになったのは一体何時からだろうか
見るもの全てが灰色の平坦で詰まらない世界
大きなトランクを両手で抱える男
今日も灰色のパーカー
17歳の私とちょうど2、3歳しか違わないだろう細くて背の高い猫背
何の変化もない世界にいても特にすることのない私はいつも彼を見ている
彼は何かの映画で見たような豪華なテーブルにトランクを置き、開く
その中だけが色で溢れかえっている
昔に社会科の授業で見た異国の市場の写真を思い出した
そして彼は極彩色の中から一つ一つ取り出して、次々と口に運ぶ
一つ一つブツブツ呟きながら品定めをしていく
小さくて赤い粒々の果物は「美味しい」
黄色いチーズみたいなものは一口かじって「パス」
硬そうな緑の茎にも果敢に挑戦し「意外にいける」
そんな感じで毎日進んでいく
でも毎日毎日通いつめて灰色の世界の常連になっているのにも関らず、
私は一度も話したことがなかった
ただ黙々と食事に勤しむ姿を見ているだけだし
彼も彼で私の姿はきっと見えていないのだろう
いつしか私は彼と話してみたいと思うようになっていた
やがて最後のものを食べ終えると彼は手を合わせて「ご馳走様でした」と言う
私はこの言葉で朝を迎える
[日々]
メンタル強くなったよ、きっと(笑)
この夏で少し変わったことといえば
少々のことじゃ凹まなくなったことかな
でも全てが上手く行っている訳も無くて
決して順調な訳じゃないけど
少しづつ核心に近づいているのでは無いかと
勝手に思い込んでます
全然駄目駄目なんだけど
何とかやっていけそうです
雑記
軽音部長氏は予備校帰りにNANO-MUGEN帰りの人に遭遇して大変だったって(笑)
いや、千夜も思ったよ、それは
ベルっ子Yちゃんによると
ゴッチさん以外のメンバーとパートが分からないそうで
千「じゃあ、写真みてさ当ててみる?」
軽「あー…ベースの人なら絶対分かるよ!」
千「うんうん、いかにも低音でリズム刻んでそうな」
軽「ね、ギャグは一日前に言おうと決めないと言えないとか」
千「え?そうなの?すっごい良い人じゃん」
その後山ちゃんのソロ曲を聞きたいという話に発展
いや、ほんとお願いしますよ
軽音部長と千夜は山田派閥の人間です(爆)
なのむげん
いきたかったな
よこはまに
がっこうよりも
ちかいんだもの
(最後、みつを風)