2006-08-26から1日間の記事一覧

あんなに不安だらけだった大学受験にも無事に合格し、今は楽しく充実した学生生活を送っている。 夢を見なくなってから4年が経っていた。 当時、それだけを支えにして生きていた私からそれが奪われることは辛かった。 数え切れない程目を閉じてみたが、重い…

「時間はね、どんなに頑張ってみてもその人にプラスだと思われないと駄目なんだよ」 ゆったり話す 「ここには時間が無い」 「そのことが君を救った」 「でもそれは違う」 一言一言紡ぐかのように 「どうして・・・」 恐怖がここにも顔を潜めているんだ 「君…

どうしよう、間に合わないかもしれない。 24時間じゃとても追いつけない。 そうしたら周りに悪いよ。 あんなに見守っててくれるのに。 あんなに面倒みてくれてるのに。 私の能力じゃ無理なのかな。 そんなこと分かりきってるけどさ。 でもやっぱり足りない…

今日はフランスパンをかじっている 「番人って何の?」 「あ、タメ口」 彼はニヤリと口元を緩めた キレイなボトルに入った水を飲み干し、灰色のシャツで口を拭る 「そうじゃなくてさ」 早く本題が知りたくて急かす 人指し指で一指しされ 「君は時間って概念…

「実花さん〜、はい!今日の分!」 目の前には知らない大学のパンフレットと塾長の眩しい限りの笑顔 「ここに入って欲しいなぁ」 もう一冊、これはかの有名な某大学 「あー、ありがとうございます」 7回目のこの台詞 自分でも呆れるくらいの棒読み調 「ね!…

「君も食べてみる?」 初めて彼と目があった こんな日を待ち望みにしていたことに 自分が高揚していることを感じながら 手渡された茶色のビンを受け取った コルクの栓を開けると甘い香りが漂う バニラでもなく、ジャスミンでもない それよりも優しい感じ 一…

「志望はK大だよね?」 この場に合っているかどうかよく分からない笑顔を無理やり顔に引っ付ける。 「経済学部で、使用科目は英語、国語、日本史…で…」 担任は模試の結果と睨めっこ。 自分でもそんなにまじまじ見なかったような気がしなかったのに。 「うん…

もう嫌だ。毎日こう思う。 日に平均20回は落ち込む、そんな生活。 結果努力不足だと評されても何も言えない現実。 そして私は眠りに就く。 これは運命なのか。 酷く私に似合う、世界への扉を今日も叩く。さよならサンクチュアリ その夢を見るようになった…