「実花さん〜、はい!今日の分!」
目の前には知らない大学のパンフレットと塾長の眩しい限りの笑顔
「ここに入って欲しいなぁ」
もう一冊、これはかの有名な某大学
「あー、ありがとうございます」
7回目のこの台詞
自分でも呆れるくらいの棒読み調
「ね!実花さんは絶対合格するんだろ?」
この質問も7回目
いや、これはもっと聞いた気がするような
部屋の隅っこに重ねられた未開封のパンフレットとプレッシャー
量ってみたら、どっちが重いんだろうか
そんなことをぼんやり考えながら私は単語帳を開いた