死神の精度/伊坂幸太郎

死神の精度

死神の精度



「クールでちょっとズレた音楽好きの死神の出会った6つの物語」




「読みやすい!」が最初の感想
そして
「ミステリ?」が次の感想


本来ミステリ小説は読者を裏切ってこそのものだと思う
でもそれがこの短編集の目的では必ずしも無さそう
「死神」が大きな軸で、そこに「死の対象者」たちの小さな日常がある、
というのが大抵のミステリのセオリー
でも
これはその逆
「死神」はあくまで「死の対象者」たちの最期を看取る役目しかしない
それは視点が全てを知り、その死を決定付ける「死神」だから
その時々に「死神」の思いが素直に語られているため裏切りは皆無…かと思ったら
この「死神」曰く
人は分からないもので
「死神」という魅力的なキャラクター(凄く、寧ろ酷い位にクールなのにちょっとボケていて、何よりもミュージックが大好きという設定の)を差し置いて、素敵な話を誰もが持ち歩いてる!!!
(特に表題作の「死神の精度」のOLと「恋愛で死神」の2人)
本当に小さなことなのにそれがとても幸せに思える
甚くクールな「死神」という視点だからこそ感じ取ることの出来たものなのかも…

だから、これは人だからこその立派なミステリです!



あ、只今同作者の代表作?「愉快なギャングが地球を回す」を読んでま〜す
こちらも楽しい…